SSケープイザベルの吸気ダンパー制御装置の更新
- 部門:産業プロセス
- カテゴリー:フルードパワーアクチュエータ
- 製品:K-TORK, PM/DM
概要
SSケープ・イザベルはロングビーチを拠点とする655フィート、15,000トンのロールオン・ロールオフ船で、米軍海上輸送司令部が運営しています。SSケープ・イザベルは1976年に操業を開始し、その動力は2台の蒸気タービンによって供給されています。
概要
この船の2台のタービン吸気ラジアルベーンダンパーは、現在では使われなくなった旧式の空気式制御装置(アクチュエータ)を搭載していました。旧式のアクチュエータは制御システムからの信号に素早く正確に応答することはなく、その結果、燃焼効率の悪さや排出量の多さといった状況に陥っていました。
効率化を図り、突然の中断に伴う保守費用及びその関連費用を削減する上で、アクチュエータの交換を行うことは必要不可欠です。
チャレンジ
今回の旧式アクチュエータの更新用にロトルクタイプKダンパードライブを選定しましたが、このダンパードライブは“臨機応変”なユニットで、既存のダンパードライブの設置跡や出力シャフトの位置ににぴったりと合致します。既存ドライブの寸法と全く同じであるため設置しやすく、数時間で更新作業を完了することが可能です。
タイプKダンパードライブは、正確で再現性の高い位置決めと、5秒以内の高速フルストロークが可能なベーン式アクチュエータを内蔵しています。また、発電所や燃焼発電プラントのような過酷な環境に耐えられるよう丈夫に設計されています。
ソリューション
タイプK台座取り付け式ダンパードライブが船に納品されると、ロトルクサイトサービスのエンジニアが3日以内に設置を行いました。設置開始前に、船の機関長(チーフエンジニア)と一等機関士(ファーストエンジニア)が全作業の調整を行いました。
設置スケジュール
1日目
- タイプKユニットを内蔵した梱包箱を溶接所に運び、チェーンホイストを使用してエンジンルーム下のデッキ1に下ろす
- 空圧源とアナログ式の制御信号を遮断する
- 既存ダンパーのリンク機構、空圧供給配管、アナログ制御用のケーブル及び旧式アクチュエータ取り外しの権限を確認する
- 上記の作業を行い左舷のダンパーを制御する
- タイプKユニットを設置し、ダンパーのリンク機構を取り付け、ハンドホイールの動作確認を行い、リンク機構のアームを調節する
2日目
- 既存ダンパーのリンク機構、空圧供給配管、アナログ制御用のケーブル及び旧式アクチュエータ取り外しの権限を確認する
- 上記の作業を行い右舷のダンパーを制御する
- タイプKユニットを設置し、ダンパーのリンク機構を取り付け、ハンドホイールの動作確認を行い、リンク機構のアームを調節する
3日目
- タイプKユニットから元の空圧供給配管(銅)に、ステンレス製のフレキシブルなホースでを取り付ける
- 電流発生器で右舷・左舷の両ユニットの動作確認を行い、ダンパーのI/P変換及び空圧操作が正しく行われていることを確認する
- タイプKユニットから元のアナログ制御用のシールドケーブルにBelden社製のシールドケーブルと接続箱を取り付ける
- エンジンルームの制御盤から右舷・左舷の両ユニットの動作試験を行い、正常に動作することを確認する
- 制御盤から一等機関士(ファーストエンジニア)までの動作を確認する
- “自動”操作から”手動“操作への切り替えと、その逆の一等機関士(ファーストエンジニアまでの動作の切り替わりについて確認を行う
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詳細情報
- Client:US Military Sealift Command.
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